専門研修プログラムついて
リハビリテーション科の専門研修プログラムついては3年間の研修期間からなります。研修期間を終えた翌年度の7月に専門医試験があります。試験を受けるためには一定期間の所定の施設での研修、幅広い疾患分野についてのレポート提出や症例リストの作成、また学会発表が必要となりますが、3年間で十分な臨床経験ができるようなプログラムを組んでいます。
大学病院での週間スケジュール
大学病院での主な専攻医の業務は他科の入院併診業務です。大学病院特有の様々な症例を経験し、ときには退院後の方針について主科の主治医と相談したり、カンファレンスへ参加したりすることもあります。
また、リハビリテーション科外来で入院が必要と判断された患者の主治医を上級医とともに受け持ち、入院中の主治医としての業務を経験することもあります。
外来業務は上級医が担当することが多いですが、痙縮治療などの特殊外来は上級医とともに診察評価・処置などの経験ができます。また、入院患者においても嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査などの嚥下評価を上級医などのスタッフとともに経験することができます。
毎日夕方には、その日にリハビリテーションを始めた新患の情報共有やリハビリテーションの方針の確認を多職種カンファレンスで行っています。また、週1回の症例検討会では入院中の1症例に対してリハビリテーションの経過や治療方針についてディスカッションを行います。
毎週火曜日には自分の興味のある分野や、臨床上での疑問点等から論文を選び、論文抄読会を行っています。
外勤は週2コマ(半日×2または終日)あり、大学以外での関連施設で、普段の業務とは違った視点で地域の病院や外来での臨床経験を積むことができます。
当大学の研修プログラムの特色
当大学の専門医プログラムでは、初年度に大学病院の研修、2年目以降は関連施設での研修を行い所定の研修ができるようになっています。関連施設は以下のように様々な特色がある施設がそろっています。
横浜市立脳卒中・神経脊椎センターでは急性期からリハビリテーション担当医として関わり、継続して回復期病棟での主治医を担当することで、脳卒中の急性期から回復期、在宅生活復帰までの一連の流れを経験できます。
神奈川リハビリテーション病院は回復期病棟に加えて脊髄損傷や切断などの疾患を中心に診療する障害者病棟での診療を経験できます。また、職能部門と連携しての就労支援やパラスポーツにもかかわることができます。義肢装具士やリハビリテーションエンジニアが常勤で勤務しており、筋電義手の処方や3Dプリンタを用いた自助具の作成など、通常の病院で勤務している中ではめったに経験することができない貴重な経験を積むことができます。
横浜リハビリテーションセンターは回復期での診療を経て生活期の在宅生活復帰や復職などを目標とする患者さんの診療に携わることができます。
専攻医・若手療法士のためのレクチャーシリーズ
YRLES(Yokohama city university Rehabilitation LEcture Series for senior residents)
横浜市立大学医学部リハビリテーション科専門研修プログラムに入った専攻医の先生を対象に、まず初めに習得してもらいたいリハビリテーション医学・医療の知識をレクチャーシリーズ形式で講義を開催しています。当科の長い歴史による積み重ねてきた経験を最短で専攻医の先生に習得を目指すための最適なプログラムです。
子育て支援
1. 勤務時間、勤務内容
リハビリテーション科5年目の稗田と申します。私は5歳、1歳の子育て中ですが、当科は子育てや介護等の家庭環境への配慮が十分にされています。関連施設毎に病院の規定に則った範囲内で、産休・育休・時短勤務や当直の免除を申請することができます。勤務内容に関しては、上司と相談しながら受け持ち患者数の制限や、回診の免除、残業の免除等の配慮を受けることができます。風通しがいい医局ですので、個人的な事情であっても親身になって相談にのってくれます。
また子供の発熱等の突発的な欠勤に関しても、カバーしていただきながら勤務することができます。
2. キャリアへ活かせる
リハビリテーションは0歳から100歳まで幅広い年齢の患者さんがいます。勤務先には療育センター、横浜市総合リハビリテーションセンターなどの子供のリハビリテーションを行う施設もあり、小児の身体診察や発達の診察において自分の経験を診察に活かすことができます。また介護を担いながら勤務されている先生もいます。患者さんの家庭環境や生活を見通していくうえで、自身の経験を勤務に活かすことができるリハビリテーション科は特別な科だと思います。
リハビリテーション科 稗田保奈美
職場環境整備
リハビリテーション科の瀧澤です。現在入局1年目です。
私は10代の頃にスポーツ事故で頚髄を損傷し、以来常に手動式車椅子を使用しています。そのため働くうえではハード面とソフト面の両方で調整が必要なことが多々あります。医学部と初期研修は長崎で過ごし、私のことをよく知る人々に囲まれていたので就労環境に問題はありませんでした。後期研修から地元関東に戻る選択をしましたが、全く新しい環境で働き始めることは不安がありました。
また現在は専攻医として関連施設を1年ないしは半年間隔で異動することになります。このような状況ではすべての問題を理想通りにするのではなく、優先順位を決めることが重要だと考えています。専攻医として知識・技術を身につけながら働く上で必要な調整は何か。この医局は教授と医局員の距離が近く、相談しやすい風土があり、私は問題なく働けています。当教室に興味を持った方はぜひ見学にいらしてください。その際私でよければ細かい相談に対応することも可能です。ぜひ教授とも話して不安をぶつけてみてください。
リハビリテーション科 瀧澤晃司